劇団四季オーディションの台詞審査にどんな準備が必要か?
劇団四季オーディションの台詞審査にどんな準備が必要か?
劇団四季のオーディション合格を目指す受験者の多くは、ダンス経験者や歌の経験者です。
劇団四季のミュージカル作品を観たことが、劇団四季を目指すきっかけとなる人がほとんどなわけですから、当然と言えば当然ですが、そういう形で劇団四季のオーディションに応募する人たちが悩むのが台詞(セリフ)。
特に研究生コースで「1〜2分程度の台詞」を自分で選んで録音し、それを劇団四季に送らなければならないとなると、
- 何を(どんな作品の、どんな台詞を)
- どう(声量や抑揚などの表現を)
言えばいいのか、全くと言っていいほどわからないと言う人も多いはずです。
今回は、そんな劇団四季オーディションの台詞審査についてです。
どんな作品のどんな台詞を選べばいいか?
結論から言えば、劇団四季のオーディション用に録音する台詞は、
劇団四季の上演作品の中から選ぶ方が良い
でしょう。
では、なぜ、
オーディション用に録音する台詞を劇団四季の上演作品の中から選ぶ方が良い
のでしょう?
これまでの劇団四季の上演やオーディションの実績から学ぶのが最良の道
劇団四季オーディションの台詞を劇団四季上演作品から選ぶべき理由は次の二つです。
それでは、劇団四季オーディション提出用の台詞を、劇団四季の上演作品の中から選ぶべき理由のひとつ目から説明しましょう。
「実際に劇団四季の俳優さんたちが舞台で演じたものがDVD等で手に入り、そこから学べるから」
当たり前のことですが、劇団四季の舞台に出演している俳優さんは、劇団四季のオーディションに合格している人たちです。
しかも、その劇団四季の作品で台詞を喋っているということは、その俳優さんの台詞が劇団四季から評価されているからに違いありません。
だったら、実際に劇団四季の舞台で台詞を喋っている俳優さんの台詞を真似してオーデイションに備えるべきだと思いませんか?
ただ、ここで一つだけ注意しておきたいことがあります。
自分がプロとして活躍することを目指すなら、プロに敬意を払うべき
時々、YouTube等にも劇団四季のオリジナル・ミュージカルの動画がアップされているのを見かけることがあります。
ただ、もし今これを読んでいるあなたが本当に劇団四季が好きで、心から劇団四季のオーディションに合格してその舞台に立ちたいと望んでいるのなら、こうした明らかに違法な動画で学ぶようなことはしないでください。
あなたもよく知っているように、劇団四季はテレビや映画ではなく、
劇場という空間でお客さんと時間を共有し、そこで作品のメッセージを通して感動を分かち合うことで、俳優さんやスタッフさんたちの生活も成り立たせている集団
なんです。
そんな劇団四季のオーディションに合格し、その舞台に立ちたいと望んでいる人が、その劇団の理念や利益を踏みにじるようなやり方でオーディション準備をするということを・・・どう思いますか?
もし、あなたが真剣に劇団四季を目指しているなら、公式に劇団四季から出されているDVD等を通して勉強してオーディション合格を目指すべきだと思います。
それに、YouTube等に投稿されている動画は明らかに画質も音質も悪く、演じている俳優さんの表情や台詞から多くを学べるとは到底思えません。
もちろん、少しでもたくさん劇団四季の作品を観たいというファン心理はわかります。
でも、もし真剣に四季の舞台を目指すのであれば、そこから変えていく必要があります。
そして、劇団四季オーディションの台詞を劇団四季のこれまでの上演作品から選ぶべき理由の二つ目です。
「過去のオーディション課題で、実際に劇団四季の上演作品から出題されている実績があるから」
少々昔の記事にはなりますが、劇団四季のオーディションに関するこんな記事があるので紹介します。
2010劇団四季オーディションレポート 2010年10月 | 情報紙 ターミナル
この中の演技審査(演技一般)について、こんな風に紹介されています。
1人ずつ台詞を言います。『夢から醒めた夢』配達人の台詞、『コーラスライン』コニーの台詞など。
(この時オーディションでは、はおそらく男性が配達人の台詞、女性がコニーの台詞が課題だったのではないかと思います。)
このオーディション受験前に劇団四季の俳優さんが実際に演じるそれぞれの作品を観たことがある人と、観たことがない人の、どちらがオーディション合格に近いと思いますか?
答えは明らかだと思います。
少なくとも、「劇団四季が言葉というものをいかに大切にしているか」ということは知った上で受けないと、意味はないと言ってもいいほどのオーディションです。
オーディションというものは、技術的に優劣つけがたいような局面では、最終的には
思いの強さが合否を決めます。
劇団四季のオーディションの向こうにあるもの
最後に、先ほど紹介した記事の中でレポーターの住川絵理さんという方が書かれていた文章がとても素敵だったので紹介させてもらいますね。
「何かを伝えるとはどういうことなのか?」
このオーディションを見学し、そんなことを強く感じました。
表現者としての本質を試されるもの・・・それがオーディションなのではないかと。
ダンス・歌・台詞という審査内容ですが、
それらは表現のツールのひとつだと私は考えます。
技術的なことだけでなく、その先に何が見えてくるのか・・・。
着ている物、表情、歩き方、声の出し方などに目が行くのはもちろんですが、
限られた短い時間の中で、その人の持つ世界観がいかに作りだせるのか、
惹き付ける何かを持っているかどうか、そのあたりが重要になってくるような気がします。
今回のように即戦力を求めているオーディションの場合は、
キャラクター(役)がイメージしやすいかどうかということも
求められているのかも。
大人数で出ている作品でも、舞台に出たら役者は孤独な部分があります。
オーディションもそれと同じ。周りの人との競争でもありますが、
一番は自分自身への挑戦だと思います。
出番を待っているとき、自分の番になったとき、終わった後の表情。
皆、それぞれで、思い思いの表情からは、その人のドラマが見えてきます。
オーディションに限らず、
夢とは、叶えるものにあるものだと思うけど、
そこに行き着くプロセスによって、その後の人生がいかに
豊かなものになるかが変わってくるような気がします。
入団できるのはほんの一握り。入団 した後も、競争の世界。
華やかな舞台裏では、たくさんの人たちの日々の訓練が日夜続いているということを
あらためて感じる1日になりました。
「オーディションとは、表現者としての本質を試されるもの 」
この言葉を胸に刻み、オーディション合格を目指して頑張りましょう。