ヴォーカル・ポピュラーについて知っておくべきこと
劇団四季のオーディション募集部門「ヴォーカルクラシック」「ヴォーカルポピュラー」「演技」「ジャズダンス」「クラシックバレエ」の5部門のうち、「ヴォーカル・ポピュラー」について考えてみましょう。
ミュージカルというのは、実にさまざまなジャンルの音楽を扱います。
「サウンド・オブ・ミュージック」のように比較的クラシックに近いものもあれば、「ジーザス・クライスト・スーパースター」のようにロックのものもあります。
同じように、「オペラ座の怪人」と「マンマ・ミーア」と「ライオンキング」では、音楽のスタイルもかなり違いますよね?
つまり、劇団四季のオーディションをひとくちに「ヴォーカル・ポピュラー」で受験すると言っても、そこにはかなり幅の広さがあるということ。
ただ、共通して言えることは、「もし、合格して劇団四季の舞台に立った場合、ハンドマイクで歌うことはまずない。」ということでしょう。
ミュージカルの舞台で使うワイヤレスマイクはほとんどの場合、タバコの箱を薄くしたような送信機から伸びるコードの先に付いた、鉛筆の先ほどのマイク部分(ヘッドと呼びます。)をおでこか、耳のあたりにセットして歌い演じます。
カラオケのように、
ハンドマイクを自分の口に近づけることはできません。
つまり、「ささやくように歌っている」ように聞こえても、
舞台上の俳優は実際にはある程度の声量(音量)は出している
ということなんです。
その状態で週に何回も公演を務めるためには、やはりヴォーカル・トレーニング(ボイス・トレーニング)が欠かせないということになります。
ただ、クラシックの声楽と違って、いろいろなリズム、スタイル、グルーヴ感(“ノリ”というやつですね。)のある音楽を歌いこなさなければなりませんから、
普段からいろいろなジャンルの音楽を聴いておくことが大切です。
合わせて、英語の響きや言葉のリズム感に慣れておくことも大切ですね。
劇団四季で上演されるミュージカル作品のほとんどは、元々英語で書かれたものがほとんどですから、
英語の響きや言葉のリズム感を持っていることは、ヴォーカリストにとって非常に武器になります。
ミュージカルの本場アメリカでは、日本と違ってポップスやミュージカルの発声を教えられるボイス・トレーナーがたくさんいますが、その中でも一番有名なのは、なんと言ってもマイケル・ジャクソンをはじめ、ライザ・ミネリやその他あらゆるジャンルのスターたちがレッスンを受けたセス・リッグズ氏でしょう。
今、ポップスやミュージカルを教えている指導者も、なんらかの形でセス・リッグズさんのメソッドで学んで、それをアレンジして教えている人がほとんどの筈です。
その他では、バークリー音楽院が非常に有名で、
音楽の世界では、この学校のメソッドがポップス・コンテンポラリーの世界的な標準になっています。
音楽のグルーヴ感を身に付けるという点では、むしろ海外のメソッドやノウハウから直接学んだ方が、上達が早いです。
下に、ポピュラー・ヴォーカルの声の出し方を独学でも学べるスグレモノを紹介しておきます。
参考にして下さい。
<セス・リグス “Singing for the Stars”>
Singing for the Stars: A Complete Program for Training Your Voice |
マイケル・ジャクソンのヴォイス・トレーナーであるセス・リグス自身が説明をしながら、実際の男女のシンガーの見本に合わせて声を出しながら練習できる教則本(CD付き)。
【スピーチ・レベル・シンギング】と呼ばれる、世界のトップ・シンガーを育てたセス・リグスのメソッドがいちから学べます。
<ローランド/ヴォーカル・トレーナー>
さまざまなジャンルの音楽の歌い方を、バンドの演奏をバックに練習できるヴォイス・トレーニング用マシン。
ピッチ(音程)の乱れを目で見て、自分の声は録音でチェックできる機能がついてます。(※バークレー音楽院のヴォーカル・メソッドで作られていて、テキスト1冊まるまる付いています。)
Roland VT-12 Vocal Trainer Tutorial
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