ヴォーカル・クラシックについて知っておくべきこと
劇団四季のオーディション募集部門が「ヴォーカルクラシック」「ヴォーカルポピュラー」「演技」「ジャズダンス」「クラシックバレエ」の5部門のうち、「クラシック・バレエ」と並んで高いレベルで競われるのが、「ヴォーカル・クラシック」でしょう。
現在は退団していますが、石丸幹二さんをはじめ、主役級で活躍するシンガーのかなりの人たちが東京芸大無いしは他の音大声楽科出身の人たちです。
特に、「オペラ座の怪人」を中心としたアンドリュー・ロイド・ウェバー作品は高い歌唱力を必要とするものが多いことから、音域的にも技術的にも専門的に学んでいることが要求されるのです。
一般的にクラシックの声楽と言うと、「マイクを使わず大きな声で、人より低いところや高いところが楽々出せる」という発声のことだけが連想されがちですが、実は音大の声楽科で学んだ人たちが持っている能力は他にもあります。
そのうちのひとつが、読譜力。
音楽の世界では、ソルフェージュという言い方をしますが、楽譜を読んだり、耳で聴き取ったりする能力です。
そして、もうひとつが、楽典。
楽譜に書いてある音の高さと長さ以外の情報(テンポ記号とかリピート記号など)を読み取る知識です。
発声・ソルフェージュ・楽典。
この3つの力を持っているから、A・L・ウェバーをはじめとする複雑な音楽を、音大声楽科出身の人たちは、いとも簡単そうに歌い演じてみせることができるんですね。
発声に関しては、劇団四季のミュージカルの場合、ワイヤレスマイクを付けているので、中には「大きな声は必要ない」と考える人がいるかも知れません。
でも、オーケストラやバンドの演奏に合わせて感情的に大きな表現をしなければいけないミュージカルの場合、いくらマイクを付けているといっても小さな声で喋ったり歌ったりして済むはずもありません。
ロングラン公演の場合、それを週に7回とか8回大勢のお客さんの前でやるわけですから、出来不出来のないようにしっかりとした声の出し方を身につけておく必要がありますよね?
そのためにも、
マイクに頼らずしっかりと声を出せるクラシックの声楽の基礎を身に付けている俳優が必要とされるわけです。
大きな声で繰り返し練習を重ねて、安定した声量と音域を手に入れる。
繰り返しの大切さという意味では、演技もダンスも歌も、変わりはありません。
幸い、自分でピアノが弾けなくても、一人で繰り返し練習するのに適した教材等も比較的簡単に手に入ります。
今、劇団四季の舞台で華やかなスポットライトを浴びてミュージカルナンバーを歌っている俳優さんたちも、みんな孤独にコツコツと練習を積み重ねて来ている筈です。
石丸幹二さんや沼尾みゆきさん、その他劇団四季で活躍してきた東京芸大声楽科の人たちが学んだものと同じ教材で学ぶことがクラシック・ヴォーカル上達の近道です。
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