クラシック・バレエについて知っておくべきこと
劇団四季のオーディション募集部門、「ヴォーカルクラシック」「ヴォーカルポピュラー」「演技」「ジャズダンス」「クラシックバレエ」の5部門のうちのひとつである「クラシック・バレエ」 。
おそらく、劇団四季のオーディションの中では「ヴォーカルクラシック」と並んでレベルの高い分野と言って良いでしょう。
その理由は、まず、
クラシック・バレエのレッスン経験者の数が他のジャンルと比べて全国的にかなり多いこと。
そして、日本のクラシック・バレエのレベルが、ローザンヌをはじめとしたバレエ・コンクールの入賞者を例に出すまでもなく、一般的にかなり高いこと。
更に、そうした高いレベルのジャンルであるにも関わらず、なかなかダンサーとして食べていくのが困難なこと。
こうした状況の中、学校の芸術鑑賞やその他の機会に劇団四季のミュージカル公演を観て、自分の活躍の場として四季にチャレンジしようと考えるクラシック・バレエ経験者(特に女性)は、年々増える傾向にあります。
コンクール入賞経験者や、かなり大きな舞台でプリンシパルをつとめた経験を持つような人たちが、劇団四季のオーディションを「クラシック・バレエ」コースで受験するのです。
となれば、劇団四季を「クラシックバレエ」コースで受験して合格するためには、
例え研究生でチャレンジするとしても、かなりのレッスン歴と実力が伴わない限りは難しいことになります。
更に、
劇団四季はあくまで“劇団”であって、バレエ団やダンス・カンパニーではありません。
演技や歌唱にも通じるような表現力、ダンス以外のことにも挑戦しようとする前向きな意欲がアピールできるようでなくてはいけません。
また、これまで演技や歌唱を学んできて、これからダンスを学んでいこうと考えている人も、劇団四季に入団した場合には、クラシック・バレエをメインにしたダンスレッスンを受けることになります。
実際、クラシック・バレエ以外のダンス、ジャズ・ダンスやタップ・ダンス、それ以外のダンスでも「プリエ」「バットマン」「ピルエット」「パッセ」などの、元々クラシック・バレエで使われている用語(動き)がダンスをやる上での共通語になっていますから、例えダンサーでなくても、ミュージカルに出演する場合には最低限必要な知識(と技術)になってきます。
ですから、実際に身体を動かすことはもちろん、本やDVD等でクラシック・バレエをはじめとしたダンスを観て、用語や動きを知っておくことはとても重要です。
劇団四季の俳優さんたちは、横浜市あざみ野にある劇団の稽古場や、劇場のリハーサル室での日々のレッスンはもちろん、地方公演の会場ロビーなどでも、クラシック・バレエのバー・レッスンを欠かしません。
「オーディション受かったら、一生懸命勉強します。」
では、到底間に合いませんよね?
<まずは用語をしっかり押さえましょう>
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<用語と動きがどんな風につながるか、目で見て覚えることも大切>
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クラシック・バレエはシアター系(劇場で踊られるダンス)全ての基礎になるものですから、例えプロになっても終わりはありません。
「千里の道も一歩より」「継続は力なり」です。
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ジャズダンスについて知っておくべきこと
〈ジャズダンス〉
劇団四季のオーディション募集部門、「ヴォーカルクラシック」「ヴォーカルポピュラー」「演技」「ジャズダンス」「クラシックバレエ」の5部門のうちのひとつである「ジャズダンス」。
最近では、いろいろなダンス・スタジオのレッスンに「ジャズ・ヒップホップ」や「ジャズ・ファンク」といったレッスンも盛り込まれています。
「でも、ヒップホップやファンクというのは…ジャズじゃないんじゃないの!?」
そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?
というわけで、今回は「ジャズ・ダンス」についてまとめてみました。
20世紀初頭にこのダンスが誕生したときは、文字通り「ジャズの音楽に合わせて踊る」ダンスで、それまでのクラシックのスタイルを破壊するような、先進的なダンスでした。
〈まずは、“アイソレーション”〉
その特徴は、“アイソレーション”という、
ボディーの上半身(スクエア)を固定せずに柔軟に動かす
点で、そこがクラシック・バレエの技術との一番大きな違いです。
ところが、ジャズという音楽ジャンルがさまざまな方向へと進化して音楽的にも細分化されてしまい、ジャズダンスというスタイルそのものもダンスシーンの中でスタンダード化してしまったことなどから、“ジャズで踊る”という表現自体が、だんだんと意味を持たなくなっているのが現実です。
そのため今は、ジャズダンスはどんな音楽でも踊るスタイルがほとんどで、そこで使われる音楽もいわゆる“ジャズ”であることの方が少ないぐらいなんですね。
ただし、ダンスのスタイル以外にも、身体の鍛え方からボディコントロール、洗練された練習法、感情表現の幅広さなど、
ジャズダンスのベースになっているのは、クラシック・バレエです。
最初に書いたように、最近ではヒップホップにジャズを取り入れたスタイルなども人気がありますが、ストリートダンスにはないテクニックやステップが多いジャズダンスは、ミュージカルで一番メインとなるシアター・ダンスの基本です。
〈シアターダンス〉
ブロードウェイのダンス・スタジオでは、とてもメジャーなクラスです。
言葉の通り舞台(劇場)やショーの為のダンスのことを言います。
基礎にはバレエ、ジャズを必要とするダンスで、シアター・ダンスはそれを使って更に“表現するダンス“なんですね。
ハットやステッキのような小道具を使った振付けや、キャラクター(登場人物)の描写にウェイトを置くなど、見せる為のテクニックや表現力を必要とするのもシアター・ダンスの特徴です。
〈ジャズダンスの父・ルイジ〉
ジャズダンスを体系化したのは、ジャズダンスの父とも呼ばれた、ルイジ・ファチュート氏です。
交通事故によって半身不随となって彼は、ダンスのテクニックを利用した独自のストレッチによるリハビリで奇跡的な復活を遂げます。
実は、そんなルイジにダンス(クラシック・バレエ)を教えたのは日本人なんです!
その人の名前は、伊藤道郎(イトウミチオ)。
モダンダンスの創始者でもある伊藤道郎は、当初声楽を学ぶために海外に留学しますが、外国人とのあまりの声量に違いに声楽の道を断念。ダンスに転向したと言われています。
当初リトミックからスタートし、その後、自身の身体の小ささを逆手に取るようなダンス・スタイルや表現力を身につけて、ヨーロッパやアメリカで注目を集める存在になっていきます。
ルイジはそんな伊藤道郎のもとでダンスを学び、事故で半身不随となった失意の底から、バレエのエクササイズを繰り返し行うことで奇跡的な復活を遂げるのです。
生前、日本にも来日してレッスンをされています。
その際のインタビューの様子がこちらで読めます。
また、ルイジのエクササイズを紹介している動画もあります。
参考になりますから、是非ご覧になってみて下さい。
〈知識とイメージを増やしておこう〉
特に、地方でレッスンを受けながら劇団四季のオーディションを目指す場合、地元で受けられるレッスンが必ずしもシアターに繋がるダンス・レッスンではない場合もあると思います。
そういう場合は、自分なりに本やDVD、インターネットで動画を視聴するなどして、ジャズ・ダンスやシアター・ダンスについての知識とイメージを増やしていくことも重要です。
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劇団四季の演技メソッドを学ぶ方法
「呼吸法」「開口・発声」「母音法」「折れ」「フレージング法」といった劇団四季の演技メソッド。
何よりもまず自分が実際にやってみることが一番ですが、やはりそこは見本があるに越したことはありません。
幸い、劇団四季が上演したストレートプレイ(セリフのみのお芝居)のDVDが複数発売されています。
それらを繰り返し観て、劇団四季の演技メソッドを学びましょう。
翻訳物や日本人脚本家によるものなど、それぞれに演劇の様式の違いがあります。
そういった部分も合わせて学ぶことができれば、アンドリュー・ウェバーの作品やディズニーの翻訳ミュージカルのように
外国語の歌詞に日本語の訳詞を乗せて歌う場合の表現力も伸ばすことができます。
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「ひかりごけ」
武田泰淳の短編小説。1944年5月に北海道で起きたひかりごけ事件をモチーフにして描かれている。1955年に劇団四季が舞台化しました。
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「鹿鳴館」
三島由紀夫の全4幕から成る戯曲。三島由紀夫の代表作としてさまざまな劇団やカンパニーで繰り返し上演されています。
(劇団四季では2013年に平 幹二朗さんを影山伯爵役に迎えての上演がありました。)
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「解ってたまるか!」
福田恆存が劇団四季の為に書き下ろした作品で、実際に起きた金嬉老事件をもとにして作られた社会風刺の喜劇。
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「思い出を売る男」
劇団四季創立のの精神的指導者であり、創立メンバーにフランス演劇を教えた、劇作家・加藤道夫による一幕物の戯曲。
ストレートプレイですが、サクソフォンの演奏(かつて石丸幹二さんが主演された際には生演奏をしていました。)や複数の挿入歌もあって、とても音楽的な作品です。
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「トロイ戦争は起こらないだろう」
1935年に初演された、フランスの劇作家 J.ジロドゥの戯曲。 ギリシア神話のトロイの伝説を主題に,戦争の危機を訴える作品。
劇団四季は元々、このジロドゥやその後のジャン・アヌイといったフランス演劇の上演を目指してスタートした劇団。ジロドゥの作品では他に「間奏曲」なども上演されています。
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「ハムレット」
『生きるべきか、死ぬべきか』のセリフで余りにも有名な、ウィリアム・シェークスピア作の5幕から成る悲劇。
シェークスピアの作品中最も長い作品です。
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「ヴェニスの商人」
シャイロック役を劇団四季創立メンバーである日下武史さんが演じる、文字通り“四季版”とも言える「ヴェニスの商人」です。
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劇団四季の演技メソッド
〈劇団四季のメソッドについて知っておこう〉
劇団四季の演技メソッドとして有名なのは「開口発声」と「母音法」ですが、その他にも「呼吸法」「フレージング法」と呼ばれる方法論があります。
〈呼吸法〉
台詞(セリフ)や歌で声を出す為に呼吸が大切なのはなんとなく想像がらできますし、激しいダンスを踊ることはアスリートにも似た運動量が要求されるわけですから、呼吸のコントロールは重要です。
ただ、劇団四季の場合、更にその上に呼吸のコントロールが絶対的に必要とされる理由があります。
それは・・・
「ロングラン公演が前提だから」
週に8回、9回といった本番を何カ月も、場合によっては何年も続け、その間、
毎回同じレベルの舞台を観客に届けるためには、パフォーマンスの土台となる呼吸をコントロールできるようになることが絶対条件
となるからです。
いわゆる“腹式呼吸”がそれで、
横隔膜を十分に動かして深い呼吸ができるようになるまで、繰り返し練習をするのです。
昔は、稽古場の床に仰向けに寝て呼吸の訓練を行っていたようですが、ある時期から稽古場の壁にあるレッスン・バーにつかまって、両脇腹の裏側を膨らませるように深く息を吸い込んで、長く息を吐き続けるといったトレーニングがメインになっています。
「4カウントで吸って、8カウントで吐き切る」
「2カウントで吸って、8カウントで吐き切る」
「1カウントで吸って、8カウントで吐き切る」
というようにバリエーションをつけて、
横隔膜を使った呼吸の訓練を毎日毎日繰り返すこと
が、俳優としての身体の土台を作るのですね。
〈母音法〉
俳優が語る台詞(セリフ)には、“情報”と“感情”の2つを観客と共有するという役割があります。
そのうちの“情報”としての台詞(セリフ)を、確実に客席に届けるために考え出されたのが、劇団四季の「母音法」です。
日本語を音として見た場合、(例えば「おやすみ」という言葉をローマ字に置き換えて「OYASUMI」としてみるとわかりますが)基本的には母音と子音が交互に置かれ、子音単独で発音されることはまずありません。
つまり、
「母音が明瞭に発音されれば、情報としての台詞(セリフ)は確実に観客に届く」
ということです。
そこで劇団四季の俳優たちは、
台本の台詞(セリフ)を全てノートに書き写し、その横にそれぞれの台詞(セリフ)の母音を書き出して、その母音だけで台詞(セリフ)を声に出し、繰り返し練習する
という方法で訓練をするのです。
母音のひとつひとつが明瞭に発音されるように、口の形を意識しながらハッキリと発音することがポイントです。
※実際には、「句読点を省いて書き写す」「折れを作る」という作業もしていますが、この点については「フレージング法」のところで解説します。
その際、例えば「お父さん」という言葉のように、文字では「おとうさん」と書くのに、話し言葉では「おとーさん」と母音を繋げて長く伸ばすパターンを“長音”、「きっと」「もっと」のように撥音(はねる音)のパターンを“連子音”(ローマ字で書くとKITTOのように、子音が連続するから)と呼びます。
更に、「明日、あなたが…」という台詞の中で「ASHITA:ANATAGA」のように母音同士が連続するパターンを“連母音”と呼びます。
こうして、音声(=情報)として観客に届きづらい部分部分にチェックポイントを設けて、俳優自身が自分の語る台詞(セリフ)を客観的に確認できるようにしているのです。
〈フレージング法〉
劇団四季の俳優が台本の台詞(セリフ)をノートに書き写す際に、句読点は全て省いて書き写します。
それは、
句読点というのは読み書き言葉のためのもので、話し言葉のものではないから。
人間は通常、あるひとつの意思(意志)を伝えようとする時には、文章の途中ブツブツと細切れで話すことはありません。
ひとまとまりの意思(意志)のかたまりで、ひとつの流れの中で言葉を続けます。
(これを浅利慶太さんは、「感情ではなく想念」と表現されています。)
しかも、そのほとんどは途中で息継ぎをすることなく、ひと息で話し終えるのです。
この、意思(意志、想念)の変わり目(意識の方向性が変わる場所)を、劇団四季では“折れ”と呼んで、台本上に鉤括弧(かぎかっこ)で書き表します。
その折れにも大きな折れ(大折れ)や小さな折れ(小折れ)があり、更に、心理的には小さな折れがあっても流れとしては続けて語る箇所は“リエゾンする”などという表現を使って、台詞(セリフ)のフレージングを可視化(目で見えるものに)するのです。
もちろん、こうしたメソッド(方法論)は、
作品の持つテーマやメッセージ、演出意図などを確実かつ的確に観客に届けるための手段であって、目的ではない
ということを忘れないようにしなくてはいけません。
ただ感情を前面に押し出して叫ぶように絞り出す言葉は、キチンとした音として成立せずに情報が観客に届かなかったり、ごくごく個人的な感情で複数の人間が共感、共有できる意志や想念でないために観客が感動できなかったり、といった結果になりがちなのですね。
劇団四季のこうしたメソッドについては、浅利慶太さんがお書きになった、
に、詳しく書かれていますから、劇団四季を目指す方は是非読んでおくべきです。
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劇団四季のオーディションとは?
<劇団四季のオーディションどんなことするの?>
俳優(歌手、ダンサー)として劇団四季の舞台に立つためには、オーディションを受けて合格する必要があります。
そして、そのオーディションは大きく分けて2通りの方法があります。
1つは一般コースのオーディションを受けること。
もう1つは研究生コースのオーディションを受けることです。
募集部門は「ヴォーカルクラシック」「ヴォーカルポピュラー」「演技」「ジャズダンス」「クラシックバレエ」の5部門に分かれています。
一般、研究生ともそれぞれの部門に応じてオーディションを受ける必要があります。
(劇団四季のオーディションは例年、年に1回実施されていて、劇団のホームページ上や媒体などで随時募集を告知します。)
ちなみに、
歌と演技は自分自身の歌と台詞を録音したもの、ダンスは録画したものを提出することになっています。
※録音に関しては「エコー(リバーブ)等を使用しないように」と注意書きがあります。
劇団四季に入るための一般コースの場合、
既に舞台に関連した何かのジャンルでの実績や経験がある人が対象です。
「一般」で入団の場合は、劇団メンバー(年間通して劇団四季の作品に出演)か演目契約メンバー(特定の作品や出演期間での出演が前提)のどちらかになります。
“直ぐにでも舞台に立てる”、言うなれば即戦力が求められているので、そこまでのキャリアが未だ無い人には合格は遠い夢でしょう。(合格年齢にも多少の幅を持たせているようです。)
研究生コースについても、基本的に応募資格は18歳以上で年齢の上限は設定していませんが、研究生コースの場合は20代後半になると目立つような経歴が無いと書類選考の時点でハンディになる可能性があります。
オーディションには毎年数百人の応募があり、半分以上は書類審査で落とされます。残った人が実際の厳しいオーディションに臨みます。
(2015年を例にとると、864人の応募から書類選考で204人が残り予選を突破して102人が本選に進んでいます。)
つまり、オーディションに合格できるだけの知識と技術を身につけておく必要があるのです。
オーディションの内容ですが、2日間に亘り歌、ダンス、演技などが厳しく審査されます。
もちろん、面接も経て選考され全てクリアすれば一般コースは晴れて正式な団員になります。
研究生コースの合格者はダンスを中心にしたレッスンを、劇団四季のカリキュラムに沿って1年間受けることが出来ます。
ただし、1年後には卒業試験があり、劇団のメンバーになれるのは合格者だけです。
研究生は月曜日から土曜日まで毎日朝から夕方までレッスンがあり、その間は無給です。
アルバイトも禁止されているので、親からの援助や理解が無いと継続が難しいかも知れません。
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劇団四季についての基礎知識
<あなたが劇団四季についてまず知っておくべきこと>
劇団四季(四季株式会社)は、現在日本全国に8カ所の専用劇場を持っており、年間3,000回を超える公演を行っています。
今ではディズニー作品を中心に“ミュージカル劇団”としての印象が強い劇団四季ですが、スタートは東京大学文学部仏文科と慶応大学文学部仏文科の学生による演劇集団で、その後もフランス現代演劇上演を中心に上演する、ストレートプレイ専門の劇団でした。
劇団創立は1953年(昭和28年)。
創立記念日を7月14日(フランス革命、バスティーユ襲撃の日)としていることも、劇団スタート当時の「日本の演劇界に一石を投じる」という劇団四季創立メンバーの意思の象徴と言えます。
1964年にブロードウェイのキャストによる「ウエストサイド・ストーリー」の日本公演が行われた際に、ベルナルド役の俳優のダンス歴が浅いことを知った浅利慶太氏(劇団四季創立メンバーで、当時日生劇場の取締役であった)が、山田卓氏(振付家。当時、宝塚をはじめとした多くの舞台の振付で活躍していた)に俳優のダンスレッスンの可能性についてアドバイスを求めたことが、後に劇団四季がミュージカルへと進出するキッカケになりました。
1971年に当時の大スター、越路吹雪さん主演の「アプローズ」をキッカケにミュージカル路線を強めていきます。
1974年には「ウェストサイド物語」のタイトルで、「ウエストサイド・ストーリー」を上演。
1979年には、当時としては珍しいオーディションによる配役決定を取り入れて「コーラスライン」を上演。
1983年には、西新宿にテント状の仮説劇場を設えて、ミュージカル「Cat's」ロングラン公演に踏み出しました。
それまで俳優が手売りしていたチケットを、ぴあとの協力のもと、コンピューターでのチケット管理を導入したのも「Cat's」から。
(こちらの記事で、当時の様子がわかります。「チケットぴあの創業過程---今井仁さんインタビュー」)
もちろん、俳優陣の活躍も忘れてはいけませんね。
鹿賀丈史さんや市村正親さん、石丸幹二さんをはじめ、劇団四季出身でその後も活躍する俳優さんは多いですが、なんと「ルパンⅢ世」で峰不二子役を長く担当した増山江威子さんも、実はかつて劇団四季に在籍していたという事実。
劇団四季のメソッドとして有名な「母音法」や「呼吸法」は、こうしたストレートプレイの劇団としての歴史の中から生まれたもので、そうした歴史が今も舞台を中心に活躍する数々の俳優さん達を育ててきたのですね。
こうした劇団の歴史を何も知らず、ただただミュージカルの舞台の華やかさに憧れてオーディションに応募する人も多いとは思いますが、四季が“劇団”である以上、そして劇団四季の舞台を目指す以上、その歴史を知っておくことはとても大切なことです。
劇団四季創立からのいろいろな話がこちらの本で読めます。
(劇団四季がミュージカル劇団だと思っていた方は是非読んでみるといいですね。)
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